つのの細道(ベネチア)

  
 ベネチアに行ってみたいな、と初めて思ったのは、
 20年くらい前に、首脳サミットが開催された時でした。
 ニュースキャスターがサンマルコ広場から中継するのを見て、
 キャスターの背景に目が釘付けになりました。
 やっぱサミットの宣伝効果って、すごいんですよね。
 北海道の洞爺湖も、いずれ世界的な観光地となるでしょう。

 ベネチアは、干潟に作った人工的な街です。
 ゲルマン民族から逃れるために、陸から離れて住んだそうです。
 ベネチアをひっくり返すと森になる、てくらい、
 家の下には杭が打たれているそうです。
 地球温暖化と共に、もうすぐ水没してしまうかもしれません。
 その危うさも、「アドリア海の女王」という名にふさわしいのでしょう。

 ベネチアは、海洋国家なので、車はおろか、自転車も走っていません。
 舟と徒歩以外の交通手段はありません。
 細い道は複雑で、真剣に迷子になります。
 ホテルも無数にあり、どれも小さなホテルなので、
 ホテルの名前を言っても、誰も解りません。

   
 ベネチアは由緒正しい観光地です。
 何世紀にもわたって、観光地だったので、
 ベネチア独自の文化なのか、観光地としての商品なのか、疑わしいところです。
 でも、ゴンドラに乗って、水上で聞くゴンドリーエのセレナーデは旅情を誘います。

 食事も海鮮料理定番のイカスミやペスカトーレなど、
 馴染みのメニューが多いので、安心して注文できます。
 でも、世界的な観光地なので、本島は、
 京都の清水寺界隈ばりの観光客であふれかえっていて、
 現地の生活とかに触れることはできませんでした。
 別の島ならそうでもないかもしれません。

 治安はよく、迷子にならなければ1人でも外出できます。
 安心して選択できる観光地です。
 ただし、ホテルが林立しているので、階段が狭く、
 エレベーターやエスカレーターはありません。
 車もないので、スーツケースを持って行ったら、ひどいめにあいます。
 荷物は最少でベネチア入りしましょう。


     NEXT→ 

 もどる